最初に書いたとおり、私は都市部では基本的に屋根を開けない。開けないが、今日の夜は間が差して、鳥取西部では一番の都市部ど真ん中、その交差点の赤信号でオープンにしてしまった。
オープンカー乗りは、特にロードスター乗りはとかく情緒的な文章を書く傾向があるように思う。私も結構書いている。乗ればわかると思うんだが、これは逆に考えれば乗らなければわからんと言うことだ。良さを具体的に書いていない。イタリア車にアルファロメオというメーカーがあるが、そのユーザーにもちょっと似ている。「なんでアルファなの?」「アルファの車には魂があるんだよ!」いやわかんねーって。どことなく宗教的で、ちょっと近寄りがたい雰囲気。そんなマニアックな感じが、オープンカーとか、イタリア車に対するイメージを損させている部分があるような気がする。そういうのは良くない。
……え?夜の都市部でオープンにした感想?
世界が輝いていた。
道端ではしゃいでいる学生達の笑い声が聞こえる。前には赤いテールランプ、対向車線からはヘッドライトの光が、まるで宝石の奔流のように流れていく。本当に、何もかもがキラキラと輝いていた。
そこから家へは、ほんの20分もない。都市部を抜けた赤信号で、前を走っていた黄色いビートに追いついた。前も後ろも車はなし。信号がゆっくりと青に変わる。どう見ても車検に通りそうもないマフラーから、軽自動車とは思えない小気味良いエキゾーストノートを奏でてビートが加速していく。その音を聞き、そのテールランプを見ながら、自然と笑みがこぼれていた。
本当にどうしようもない。説明のしようがない。人が笑う時ってどんな時だったっけ?みたいな疑問を真剣に考えてしまいそうになる。楽しい?もちろん。嬉しい?まあ、そうかな。でも、なにかが違う。決定的に、違う。だから、こう書くしかない。そう、世界は美しい。
なんか誤解されそうだから書いておこう。別に私はロードスター or オープンカー or スポーツカーの素晴らしさを広めようなどと思ってこんな馬鹿みたいな文章を書いてるわけじゃない。というか、そんな意味で言えばこんなパラノイアみたいな文章は逆効果だろうと思う。ともあれ、私が頭を捻って(本当に捻ってる)こんな文章を書いているのは、もう何度でも言うが、世界が美しいからだ。
いや、そんなことはどうでもいい。毎日がくだらない。仕事もつまらない。なにより、自分の進んでる道も適当だ。やりたいことも見つからない。隣に立つ人もいないし、なにもかもめんどうだ。そう思う? 割とそうかもしれない。でも、それでも、もう一度だけ言わせてくれ。世界は美しいんだ。
いい加減にしろ、とあなたは怒るかもしれない。ごもっとも。私はオープンカーが全ての人を救うとは思わない。そこまで楽観的ではない。更に言えば、あなたに世界の美しさを見せてくれるものが必ずある、とも言えない。そんなのは小学校の先生が言ってればいいことだ。だから、私が言えることは何もない。ただひとつだけ言えることがあるとすれば……えーと、もう、言わなくてもいいよね?
そうそう、世界がキラキラと輝いてる中で、「うへへ」と、はたから見たらバカみたいに気持ち悪く笑うのもなかなか楽しいものでした。いつの間にか歳を重ねて、子供の時に考えていたオトナの年齢になったけれども、子供の頃は予想もできなかった、そんな「うひひ」の瞬間は格別です。誰かと喧嘩したことも、腰の痛みも消えるわけじゃないけど、それを含めて、そう……世界が輝いているから。
No Border in the Sky. (って、つけたら、まるで最終回(?)みたいだね!)

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