37,000kmから98,000kmまで、2010年3月17日から2012年9月29日まで、のべ61,000km・927日間、ともに歩んできた206から降りなければいけなくなった。実際にはこれを書いている時点で、もう206は私の車ではない。
人が車を乗り換える時、大抵は心が新しい車に行っているので、古い車との別れより、新しい車との出会いへの期待が大きくなるものだと思う。でも、私が納車された新しい車を見て最初に思ったことは、「ああ、これで本当に206とはお別れなんだ」ということだった。
日本一周の時の、被災地での写真を印刷して額に入れた。どうしようもなくフロントヘビーで、塗装も弱い。ブレーキはキーキー鳴るし、内装はどこまでもプラスチックの安っぽさしかない。ミッションも癖があって、しかも4速までしかない。燃費も良くないし、ガソリンはハイオク。純正ホイールは普通にバランス取れないし、各部のボルトもまるで日本には合っていない。けれども、私に車の楽しさを教えてくれた、この元気な車との日々を忘れないために。